姫はうそ臭い国民に眉を寄せたが、それでもその話を信じる事にして墓を参った後、帰って行った。その墓に死んだ日…反乱が起きた日の日付が彫られていたことを、新しい王は忘れていたようだな。そして、姫の元に手紙が届いた。
アニエスの手紙だね。
墓に掘られていたのはあの反乱の月。国民は嘘をついていた。それは、置いておくとしても、もうカルヴィンの死に気付いている自分にカルヴィンの名を借りて手紙を書くのはおかしい。それに、その内容が今までずっと食い違ったことがないんだ。彼女は手紙の事を隣の国の新しい王に尋ねに行ったが、誰も知らなかったしその目に偽りはなかった。
アニエスが独断でしてたから?
そう、その時、姫は悟った。アニエスはカルヴィンの死を知っていた。そして、知っていながら自分が届けるよう頼んだ手紙にアニエスが返事を書いていたことを。それから暫く同じように手紙を書いていた姫は、毎回返される不自然な手紙をアニエスが提出した書類とあわせて問い詰めた。筆跡が全く一緒だったんだろう。そして、悲劇は、幕を開けた。
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