どうするの?カルヴィンは死んじゃったよ?
手紙はアニエスが書いた。国のほうは新しい王が静かに決まって、新しく動き始めた所だったから、必要そうな物を幾つか手紙に書いて、姫に渡した。そうすれば余計にカルヴィンの国の人間達はアニエスに逆らえないし、姫は疑いなくカルヴィンを助ける振りが出来る。
アニエスって頭良いね。
戦は力も必要だが、頭脳も必要になってくる。伊達にいくつもの戦いを乗り越えてきた人じゃない。それに、手紙にはカルヴィンを思い慕う、姫の純粋な愛情が書き連ねられていた。その手紙をいつ途絶えさせようかと、アニエスは悩む。
でもさ、嘘はいつかバレるんじゃないの?
当たり前だ。その嘘だって、暫くは騙せてはいたが、カルヴィンでない人間は公の場に出れない。舞踏会も、謁見も断り、それが何ヶ月も続けば変に思う。勿論、姫も『会いたい』と何度か手紙に書いてアニエスに届けさせた。しかしそれを読んだアニエスは姫の他の願いを聞き入れても、会うことだけは上手い具合に避け続けた。しかし、それもすぐに終わる。アニエスが他の国へ行っていた時、姫は他の部下に頼んで隣の国へと向かった。彼女の権力なら、王子は会わざるを得ない、それが直接来られたら特にな。
で、偽物に会ったんだ?
最初は皆で嘘をでっち上げたが、どこにもカルヴィンがいない。皆は渋々、死んだことを告げた。つい最近、病死したと。
それでそれで?


