『オーバーキル』これ以上、甘やかさないで


2週間後がハロウィンということもあって、テーマパークはハロウィン一色。
可愛らしい衣装を着たマスコットたちがあちらこちらにいる。

「匠刀、写真撮りたいっ」
「おぅ」

列に並んで人気キャラクターのココちゃんとの写真を撮って貰った。

「狡いっ」
「は?」
「写真写りよすぎ」
「イケメンはいつ撮ってもイケメンだからな」
「うるさいっ」
「桃子だって、可愛く撮れてんじゃん」
「この間の方がもっと可愛く撮れた」
「どれも、可愛いって」

ポンポンと頭を撫でられ、宥められてる。
納得のいく写真じゃなくても、匠刀との写真がまた1枚増えた。

「俺にも送って」
「うん」

こんな風に少しずつ匠刀と近づいていけたらいいな。

無理に諦めたりせずに。
無理やりに我慢させたりもせずに。

お互いにしっかりと歩み寄って、ゆっくりでいいから。
確実に同じ歩幅で歩いていけたらいいなぁ。

パンジー、ガーベラ、ブーゲンビリア。
サルビア、ブルーデイジー。

色とりどりの秋の花が咲き乱れてて、春とは違う雰囲気を味わう。

「桃子、腹減った」
「どこか座れるとこ探そうか」
「さっきのとこにベンチがあったぞ」
「え、どこ?」
「風車の手前あたり?」
「あぁ、あったね」
「戻るか」
「そだね」

11時半前。
座れるところがなくなる前に、場所だけ確保しないと。



「明太子だ」
「匠刀、好きでしょ」
「おぅ、おにぎりの具で一番好き」
「知ってる」

甘い物より辛い物が好きなことも。

「何これ、ハートになってる」
「えっ、普通だよ?」
「うちの弁当には入ってたことない」
「男兄弟だもん、当たり前か」

ウインナーを斜めにカットして、ピックで留めただけなのに。
こんなに喜ぶなら、もっと早くに作ってあげればよかったな。