『オーバーキル』これ以上、甘やかさないで


ずっと引っかかっていたことが1つ解けた。
俺が桃子のために何かできるとしたら、何をするのがいいのか。

「他には?もういいのかな?」
「お忙しいですよね?」
「今日はオペが入ってないから話を聞くくらいの時間はあるよ」

先生はにこりと笑みを浮かべた。

「最後にもう1つだけ、聞いてもいいですか?」
「……何だろう?」
「どういうことしたら、桃子の負担になるんですか?走ったり驚いたりはダメですよね」
「そうだね。全部が全部ダメというわけじゃないけど、極端なことは大きな負担になるかな」
「塩分の多い食事も糖分の摂りすぎもダメですよね?」
「健常な人でも、摂り過ぎはよくないよ。桃子ちゃんの場合、少し塩分を気をつける程度で大丈夫。高血圧でない限り、摂取制限を設けたりしないけど、妊娠したら話は別かな」
「にっ……妊娠できるんですか?」
「その質問はグレーだなぁ」
「むずいですね」
「フフッ、そうだよね~」

どういう聞き方をしたら、答えて貰えるんだろう?

「桃子ちゃんと将来を考えてるの?」
「はい」
「即答かぁ」
「ダメなんですか?」
「……私はいいと思うよ」
「それって……」

先生の顔色が全く変わらず、どういう意味合いで説明してくれてるのかすら分からない。

「好きな者同士が一緒にいたら気持ち的にも昂って、その先を求めたくなるよね」

それだ!!

「はい。……けど、そういう行為自体が負担をかけますよね?」
「大丈夫とは言い難いけど、絶対に無理というわけでもない」
「……」
「もう2人して、本当に可愛いんだからっ」
「は?」
「桃子ちゃんからも君との関係を相談されたから……って、これはオフレコでお願いね」

クスっと笑った先生は、隣りの部屋から白い紙を持って来て、分かりやすく説明してくれた。