『井戸の水の底には、金貨の山が沈んでいる』
100年前、この洋館の屋敷には、大勢の使用人が働いていた。
メイド、料理人、庭師、運転手、執事を合わせて、100人以上が働いていた。
屋敷の主の信頼をえて、執事が、すべてを取り仕切っていた。
主は、血縁の家族が一人もいなかった。
噂では、生まれてすぐに、教会の前に、捨てられていたという。
孤児院で育ち、学校もろくに行っていない。
生きていくために、お金が稼げるなら何でもやった。
稼いだお金を貯め、事業を始めるまでになった。
時代の波に乗り、大儲けした。
使用人のいる大きな庭付きの洋館屋敷に、住めるまでになった。