弁護士の言葉に香奈は思わず立ち上がってしまう。大きめの声で「本当ですか!?」と訊ねてしまった。すぐに「落ち着いてください」と直樹に言われ、再び腰掛ける。
「LINEのやり取りを見ると、翔吾さんは自分が独身であることを何度も送っていますし、結婚を匂わせる文章もあります。慰謝料は既婚者だと知らなかった場合には払う義務はないんです」
「そうなんですね……」
「今回のケースですと、逆に最上さんが翔吾さんとその奥様を訴えることが可能です」
「奥様まで?どうしてですか?」
「奥様は最上さんが働く会社に乗り込み、多くの社員がいらっしゃる前で最上さんが不倫をしていると仰いました。そのせいで最上さんは会社からの信用を失くしています。訴えるとするならば、罪状は名誉毀損と脅迫ですね」
「私、何も悪くないですか?」
「ええ。最上さんには何の落ち度もありません」
直樹が微笑んだ刹那、香奈の瞳からまた涙が溢れていく。不安と恐怖と絶望で生きていることがただ苦しかった。翔吾と出会い、恋に落ちたことを後悔した。それが今、報われたのだ。
「LINEのやり取りを見ると、翔吾さんは自分が独身であることを何度も送っていますし、結婚を匂わせる文章もあります。慰謝料は既婚者だと知らなかった場合には払う義務はないんです」
「そうなんですね……」
「今回のケースですと、逆に最上さんが翔吾さんとその奥様を訴えることが可能です」
「奥様まで?どうしてですか?」
「奥様は最上さんが働く会社に乗り込み、多くの社員がいらっしゃる前で最上さんが不倫をしていると仰いました。そのせいで最上さんは会社からの信用を失くしています。訴えるとするならば、罪状は名誉毀損と脅迫ですね」
「私、何も悪くないですか?」
「ええ。最上さんには何の落ち度もありません」
直樹が微笑んだ刹那、香奈の瞳からまた涙が溢れていく。不安と恐怖と絶望で生きていることがただ苦しかった。翔吾と出会い、恋に落ちたことを後悔した。それが今、報われたのだ。


