一ヶ月の補習の特別講師は、学校一有名な男の子だった。


彼が歩けば、だれもが振り向き。

彼が話せば、だれもが聞き惚れ。

彼が笑えば、だれもが見惚れる。

そんな完璧すぎる男の子は、いつだって全女子の憧れの的。

そしてあたしはそんな彼が、苦手だった。

でも苦手だった彼の優しいところや厳しいところ、努力しているところを知って、ときめいて、泣いて、笑って。

いつのまにか、あたしの心は彼でいっぱいになった。


釣り合わないとか、ふさわしくないとか、いっぱい考えた。
今も、それはちょっと思う。

だってあたしより素敵な子、いっぱいいるから。

でも涼村くんはあたしを選んでくれた。
だから、釣り合うように努力したいとも、思うんだ。

お似合いって、いつか周りに認められたい。
そしてなによりかわいいって、涼村くんに思ってほしいから。