「奈……穂」


枯れた声で珠美が呼ぶ。
奈穂は今すぐ視線を外してしまいたいのをどうにか堪えて、珠美へ近づいた。
珠美の体は指先がすでに灰に代わって消えていた。


「次は……奈穂の……番」


珠美はそう言い残すと、パッと灰を残して消えてしまったのだった。