自殺教室

これを待受にしていたのだ。


「これってブランドものの香水だよな?」


豊が香水について知っていたことには驚いた。


「よく知ってるね?」

「母親が好きなブランドなんだ」


そういえば豊の家は裕福なのだと噂で聞いたことがあった。
母親はブランド物を好んで持つタイプなのかもしれない。



「私もこれが欲しいの。プレゼントしてくれない?」

「これって確か何万もするよな? 俺はまだ中学生だから……」

「やっぱり無理かな? じゃあ、付き合うのも辞めておこうかな」


ちょっとしたいたずら心だった。
自分のことを好きだと言ってくれる希少な男がどこまでしてくれるか、見たかっただけだ。

実際に香水がほしかったわけでもない。
香水を手に入れることができなかったとしても、努力したという証明がほしかった。


「いや、頑張ってみるよ」

「本当に?」