奈穂の声が震えている。
この非現実的な状況でなぜ千秋の名前が出現したのか、考えないといけない。

それなのに、恐怖心が勝ってうまく思考回路が働いてくれない。


「せ、先生ホームルームで言ってたよね?」


奈穂はどうにか自分の記憶をたどり、昨日の朝のことを思い出したのだった。