そうなんですよ……貴方もジョルジュも、ここに居ないハイドも……クロエから好感度を移されただけで、私のことを好きっていう訳ではないんです!

「なっ……ギャビン殿下。何を言い出すんですか?」

 そういえば、部屋の前の廊下でジョルジュが大きな声で話していた内容は、同じように部屋の中に居た彼だってわかっているだろう。

「いや……すまない。僕もそうだったから、もしかしたらジョルジュもと思ってしまっただけだ。しかし、昨夜の卒業パーティでは大騒動だったし、団長がクロエを身を挺して庇った時には、感動したよ」

 それは、確かにそうでしょう!

 あれは、ヒロインが攻略ルートに入っているヒーローの見せ場なので、クロエの推しが貴方だったら、ギャビンの役目だったんですよー!

 なんて、そんなことを軽率に口に出す訳にもいかない。私は言いたくても言えないといううずうずした気持ちを抑えて、なかなか諦めないジョルジュが部屋の中から去っていくのを待っていた。

「ねえ……レイラ。君が何故、僕の気持ちが嘘だと思うのか、手短に説明は出来る?」