私たち二人は友人として上手くやってはいたけど……周囲の人からたまに困った顔で、クロエとの関係について、心配されて言われたものだ。

 「貴女がそれで良いのなら、もう良いんだけど……」と。

 幼い頃からちゃっかりしていた前世のクロエは、勉強らしい勉強と言えば、苦労して解いた私の宿題を写すだけ。

 放課後は毎日私の家に来ては、私が持っているゲームで遊んだり本を読んだり。自分がもらっているお小遣いは、全て可愛い服に使いたかったらしい。ちゃっかりしてる。

 そんなこんなで、前世の私たちは同じ高校ヘと進学した。

 可愛らしいクロエは秀でた容姿を絶賛されて、入学してすぐに一つ上の学校一の人気を誇る先輩と付き合うことになった。

 先輩とは別れても他校で有名な男の子たちと遊ぶようになったクロエは、唯一の同性の友人である私と会う時間も減り、それまでに彼女の無料の家庭教師として勉強を教えていた私も、自由に時間を使えるようになった。

 そして、前世の私が命を落とすことになった、運命のあの日。