何を言っても無駄なクロエに文句を言うことを諦めた私は、久しぶりに自分が燃え尽きてしまった灰になったような気持ちになっていた。

 隣に住んでいた前世のクロエは五人の兄を持つ末っ子で、自分が誰から見ても可愛い容姿と甘え上手な性格を上手く使って、何もかもが思い通り。

 対して私はというと、両親共に忙しく双子の弟と妹が居る長女で、小さな子の面倒見の良さは良く褒められた。

 だから、私にとっては同じ年のクロエに頼られて甘えられるということは、抵抗感のあることではなかった。