期待の将星と毎日てんてこ舞いな洗濯メイドの、やんごとなき関係。

 洗濯メイドを取り纏める、初老の女性ベルガモさんが薄暗い部屋に入って来て、私は自分が長い間、感傷的な気分でガイの軍服を着てそれを見つめていたことに気が付いてしまった。

「はっ……はい! すみません。すぐに、出ます」

 私は慌てて彼の軍服を脱いで、手に持った。ベルガモさんは、そんな様子を見て何故か微笑ましいものを見るように口に手を当てて笑った。

「あっ……良いのよ。ちょうど、良かったわ。オルディナ将軍が、替えの軍服を急遽持ってきて欲しいって言われていたから。パトリシアは、確か彼と幼馴染なのよね? もう勤務時間も終わっているのに、申し訳ないけど。良かったら、届けに行ってくれないかしら?」

 オルディナは、ガイの家名だ。彼は私の住む辺りでも、名士の家系で。

 彼と付き合ってから浮かれて、それすらも忘れていた。彼は私なんかが、最初から手の届くような人ではなかったというのに。

「えっと……はい。大丈夫です」

 微妙な表情で頷いた私に、ベルガモさんはにっこり笑った。