晴くんの笑顔にドキッとしていると。



晴くんの顔が、
途端に、真剣な顔に変わったと思えば。



「ごめん、傷つけた、桜乃のこと、」



そう言って謝ってくる晴くん。



そんな晴くんに。



「............っ、傷つけた?」



そう聞いてみると。



「うん。今朝、寺田が言ってた。
桜乃が.........泣いてたかもって、」



晴くんの口から、飛び出したのは、
寺田(てらだ)さんという名前。



「っ、えと、晴くんの、彼女、だよね?」



〝彼女来てたのに、ごめんね?〟
って、気持ちも込めて尋ねると。



「いや、俺の彼女じゃない。
つーか、今朝、男がもう1人いたし、」



サラッと答えて、
〝もう1人〟の存在を口にする晴くん。