「ローレン。いい加減答えてくれないか。何故、そんなにも素っ気ない態度なんだ。君は俺と、いずれ結婚するんだ。そろそろ、もう少しだけでも心を開いてくれても良くないか?」

 ギャレット様は優しく貴族らしく紳士的で、商人のイーサンのように擦れてしまっていることもない。意地悪も言わないし、性格も温厚だ。

 けれど、たまにこういう……心にやましいところのある私にとって、とても面倒なことを言い出すことがある。

「……そうですよね。ギャレット様がこうして傍に居ることに、なかなか慣れなくて……結婚式までには、出来れば慣れたいのですが」