学園はというと元々は戦災孤児を受け入れる施設だった。
それが障碍者施設に生まれ変わったんだ。
 バス通りから脇に入り、何本かの路地を過ぎて右に入る。
しばらく行くと赤い屋根の建物が見えてくる。
道路側には食堂が在って、通路を隔てて事務室 園長室が並んでいる。
まっすぐ行くと静養室が在る。
その左側には職員トイレ、そして焼却炉に通じる出入り口が有る。
静養室から右へ曲がると職員の控室 精神障碍者の居室 さくら室 きく室が並んでいる。
まっすぐ進むと女子の居室 れんげ室が在る。 その角には入所者用のトイレが有る。
でも驚いたことに男女共用だった。
いつ事件が起きてもおかしくないトイレだった。
そりゃそうだよな、トイレの中で男子と女子が出会うんだから。
出会うというより一緒に入れたんだ。 信じられないよ。

 れんげ室からは男子の居室 しらかば室、女子の居室 もも室、そしてまた男子の居室 ふじ室が並んでいる。
ぼくが預けられた当時、入所していたのは40人ほど、、、賑やかだったなあ。
小学1年から高校3年までが対象だったんだ。
 ふじ室から右へ曲がると男女兼用の風呂が在って、隣に厨房職員の控室 調理場が並んでいる。
 ふじ室からまっすぐ行くと洗濯場が在り、外へも出て行けるようになっている。
でもこの洗濯場、実は風呂からも出入りできるようになっていた。
ということは扉を開けておけば女子の入浴する姿を見れたということだ。
まったくあちらこちらに問題だらけの施設だった。
 さらに左側に倉庫が在り、中に入ると二階へ上がる階段が在った。
 実は何人もの女子がレイプされたという疑惑付きの部屋が二階に在ったのだ。