パラリパラリと落ちていた雪は、また少し止んでいた。
「あ、今日すげーわ。空見てみ彗───」
と、俺が知らせるよりも先に。
満天の無料プラネタリウムを見上げた都会っ子は、瞳をキラキラと輝かせてじっと見つめていた。
まだ違和感のあるセーラー服、寒さに赤く染まった鼻、さらさらと揺れるストレートなセミロング。
きっとどんどんこの町の人間に溶け込んでいくんだ、この雪みたいに。
「彗、ごめん」
「………なにが?」
「いや。とりあえず、わりいほんと」
「……よく分かんないけど、嫌だ」
「ははっ。…おう」
中学生に見えたのは本当。
でも、パンクなんか、してなかった。
その“ふり”をするために一応は今もタイヤパッチ貼ってるけど、空気なんか抜けてなかったんだよ最初から。
あの場所は魔の道だなんて呼ばれてもいなければ、こんな田舎で自転車が盗られる心配なんか必要ない。
だから、あの日、嘘ついたんだ俺。



