ないでしょ、とは言えそうにない流れ。
誰だって想像できるからこそ、一歩引いてしまいそうにもなる。
だけどあいつは、踏み出した。
そこを踏み出したの。
「それに友利ってさ、中学のとき…」
「あーーっ!!お母さんまたミニトマト入れてるーー!!もお嫌なんだけど~っ、はい早見さんあげるっ」
「……ありがと」
周りを見ていて空気が読める悪女、宮田さん。
でも今だけは、少しだけその先の会話を聞きたかった。
前に図書室で話してくれたことと関連性はありそうだった。
中学時代、野球で何かがあったんだろう。
彼がピッチャーからキャッチャーへと変えた理由も、強豪校へ行けなくなった理由も。
「彗!」
そして、呼んでくるようになった名前。
この男のフットワークの軽さにも少しずつ慣れてきてはいたが、どうにも落ち着かないときがある。
5限前の移動教室、ひとりで居た私に駆け寄ってくる友利。



