バチッと、視線がぶつかった。
「はあ?おまえ余計なことすんなよっ」と反応する隣の男を無視して、そいつは私へと伝えてくるように続ける。
「だって俺、甲子園目指してっから」
教室、ガランと静まった。
ちょうど友利が口を開くより前に教室に入ってきた担任も、さすがに驚いたようで足を止める。
マネージャーである森さんも初耳だったようで、目を真ん丸くさせていた。
「えっ、……は!?甲子園……、って、言った……?」
「言った」
「ここ、若戸じゃねーぞ…?八木坂っての分かって言ってんのかよ…、なあ洸大」
「当たり前だろ」
ざわっと戻ってきた騒音。
いつも通りの2年C組であれば面白おかしく笑い出すんだろうけど、今日はそうにはならない。
それは、言った本人が誰よりも冗談にできないほど真剣な顔をしているからだろう。
戻りつつあった音を再び消すかのごとく、椅子から立ち上がることすらせずに決定的な言葉を追加させた友利。



