この学校の先生たちほとんど、いや全員に事情を知られていることを悟った。
ただこの先生は、担任と比べてヤラシくなく、言うなれば母のような温もりを感じた。
本当のものすら知らない私が言うには、かなり間違いすぎてるかもだけど。
「そういや初めまして、だよね?ちょうど2-Cは明日5限に授業入ってたっけな…。
また明日会うと思うけど、音楽担当の千葉です。決して“バーチー”とは呼ばないように」
「…千葉…先生」
「そ。よろしく」
よろしくお願いします、バーチー。
本音と建前が逆になっていたら、どうなってただろう。
少し気になりながらも、残された特別な時間を堪能することにした。
「だから忘れてたんすよー。返却期限が今日までの本」
「明日にしろ、もう完全下校すぎてるぞ。それに制服はどうした」
「頼む先生、これ返したらソッコー帰っから…!制服は忘れたっす!」
「…はあ。んなら交換条件として次の学期末テスト、英語85以上な」
「………うす」



