思わず癖のようになっていた、唇を噛んでしまう仕草。
そんなものに気づいた彼は、背中に回していた腕を後頭部に移動させた。
ゆっくり、やさしく、それはもう表現しきれない手つきで撫でてくれる。
きっとそれ以上の顔をしているんだろう。
興味本位にも覗いてしまったなら、逸らしたくとも逸らせなくなってしまうくらいの。
「友利、みんな……驚いてるから…、笑われちゃうってば」
「…もうここまで来たら、めいっぱい笑われてやろーぜ」
「っ……」
だめ、やめて。
それ以上は、本当に駄目だから。
視界がぐらりと、ぼやける。
「夢、見たんだ俺」
「……ゆめ…?」
「彗のお父さんって、ちょっと細身でメガネかけてて……笑うと八重歯、あったりする?」
「…………」
久しぶりに思い出した、父親の特徴。
細身で、メガネかけてて、笑うと八重歯がある。
私も誰かに自分の父親を説明するならば、まず外見としてそう言うだろう。
「夢のなかで会って、さ。…言われたんだ、その人に」
「…なん、て」



