息子の活躍を誰よりも喜ぶ親たち。
抱き寄せて、涙を流して、今日は好物を作ると約束して。
照れくさいなかでも、高校球児たちも涙目だった。
(やっぱり声かけられそうにないな…)
帰ってから電話でもいいのかな。
本当は顔を見て話したかったけど、ある意味で今日いちばんの主役は友利だ。
「友利っ!!マジすごかったぞっ!お前もう伝説だって…!!」
「おめでとう友利!!見直したわ!」
「洸大せんぱーいっ!すっごく格好良かったです~!!」
最後はサヤカちゃんだな、と分かってしまうことにすら嬉しさがあった。
そりゃそうだ、普通に考えて。
今日のMVPがあるとするなら、満場一致。
今日は疲れてるだろうし、そもそも家も近いから、後日改めてにしよう。
と考え、くるりと背中を向ける前に微笑みを落としたときだった。
「────彗」
彼は向かってくる。
あまり目立たない場所に立っていた私のもとへ。
真っ先に、まっすぐ、向かってくる。



