「ねえ、あれ喧嘩…?」
「すごい怒ってるよね……?うわー、八木坂しっかりしてよおー…」
試合は7回表を回ったときだった。
薄々、観客側のこちらも良くない流れを感じていた。
ノーアウト、
1塁と3塁を踏んでいる相手ランナー。
「「わーっかーっと!わーっかーっと!」」
「「百戦錬磨のわーっかーっと!!」」
ああもう、うるさい。
と思ってしまうほど、若戸学園の圧倒的な応援力。
八木坂も集められるだけ集められた応援団がいるけれど、消されてしまう気がしてならない。
「がんばれーーー!八木坂ーーっ」
「負けるなーーっ!!最後まで諦めんなーーーっ」
ピッチャーのコントロールが定まっていない、ボール球が多い。
このままではもっと点差を開かれてしまう。
隣に置かれた地方ラジオからも、似たような実況が聞こえてくる。
そしてとうとうマウンド上に集まった彼らのなかから、先発ピッチャーを担っていた有馬くんが他ポジションへと変更になった。



