主将である和田はそう言って、有馬の震える肩に手を置いた。
誰だって分かってるよ、お前の気持ちは。
みんなそうだ。
わかってるから、だからこその交代なんだ。
「友利はいったんレフトに下がれ、と言ったんだ。それは……また9回でお前を出させたいからだろ」
「……!」
そう、このままベンチに座らせてしまうと、有馬をこの試合で2度と出すことができないルール。
逆を言えばどこかのポジションと代えることで、また出すことも可能だった。
レフトを守る2年は、少し疲れが生じてプレーが荒くなっていた。
そして肩がいい有馬は、外野を守らせてもピカイチ。
「俺が見るに、有馬の球は相手にかなり読まれてる。だから今度は……お前がそれ以上を読んでやるんだ、9回に間に合うよう」
さすが主将だ、キャプテンだ。
そこからしか見られない視点でのアドバイスだった。
「それと、わざわざレフトに替えた意味も分かるんじゃないか?」
「………、」



