追いかけろ、青。





接戦という厳しいなかでも攻防を続けてゆく友利と有馬を見て、瞳を潤ませながらつぶやいた寺田監督。


誰を重ねているんだろう、その2人に。

腕を組んで見つめる監督は、かつての誰と誰を。


こんなにも今日の空は青かったのだと。


今日の青は、見たことがないほど大きくて高く、澄んでいたんだと、あたしも同じように見上げる。



「監督、キャプテンがピッチャー交代を欲求してます」



しかしそれは後半戦、7回表のことだった。


重ねられた点差は、取り返すことができないまま7-4にまで広がっていた。


アウトカウントは無し、ランナーは1累3塁と2人も出してしまっている危機的状況。

タイムを取ってピッチャー中心に集まった選手たち、伝令を担う1人はベンチに駆け寄ってくる。



「“有馬をいったんレフトに下げて、雪村を出す”と、友利の提案でもあるらしいです」



冷静かつ沈着な捕手の提案に、マウンド上にて、大観衆の前。



「ふざけんな……ッ!!」



ずっとバッテリーを組んできた投手である有馬は悲痛な声を上げながら、勢いよく友利のプロテクターを掴んだ───。