勝ってやる。
全力プレー、全員野球だ。
ずっと待ちわびた今日という日が、やっと来た。
最小限に省略させてぜんぶを詰めこんだ友利の一声に、観客席からも同じような声が上がった。
気合い十分に審判のもとへ走り向かい、両者挨拶を終えて。
「よっしゃ気合い入れてけーーーッ!!」
「「おーーー!!!」」
それぞれの守備ポジションへと全力疾走。
アァァァァァァァ───……
試合開始音と共に、ピッチャーが1球目を投げる。
私立若戸学園高等学校vs県立八木坂高等学校。
待ちに待った戦いの幕が開けた。
記録員としてベンチに入ったあたしは、さっそくバインダーとボールペンを手にする。
八木坂高校の攻撃は後攻。
若戸がどんな出方を仕掛けてくるか、見物だった。
「っ……!!」
カキーーーン!!!
こんなことが、あるの……。
俊足を活かし、セーフティーバントで1累を踏んだ先頭打者。
続くように2番も長打ヒット。
そしてノーアウトランナー1累2累という流れを持っていかせたくはない状況にて、なんとボールは初球で青空を大きくなぞった。



