追いかけろ、青。





「───好きだよ、静奈」


「…………」



アホが、ここに、いた。

「はあ!?!?」と、真っ赤に燃えたあたしの顔はきっと、マウンドを照り返す太陽よりも熱い。


そしてもう、アウェー状況など心底どーでも良くなっているわけで。



「さあ、いよいよだ」



寺田監督の気合いは、ピシッと身に付けられたユニフォームが物語っていた。


ほぼ満員となった観客席。

少しでも目を離した隙に、次から次に埋まっていく。


3塁側のダッグアウト前にて、チーム全員が囲んだひとつの輪。



「お前らの努力は本物だと誰よりも知っているから、長々と語るつもりはない。…が、これだけは言わせてくれ。
───持ち帰らせてくれよ、甲子園球場の土」


「「「はいッ!!!」」」


「よし。……友利、頼めるか」



すべては、この友利 洸大から始まった。


それなりにやっていた野球部を奮い立たせ、全員の気持ちを丸めた。

キャプテンでもエースでもない立場から、友利は友利として。


そんな寺田監督から託されたバトンを、友利は円陣のなかで受け取ることに迷いを見せていた。