「シズナは天才だよ。俺が認めた」
「…ぜったい八木坂は甲子園に行くから。見ててよ、ミユ」
柔らかく伸びた眼差しが、あたしの頭を撫でてくれたみたいだった。
いける、勝てる。
今日のために費やしてきた日々は、涙は、努力は、決して無意味なものじゃない。
つよくつよく握り返して、あたしにしては精いっぱいの笑顔を見せた。
「あ、そうだ。シズナ、これ俺が貰っていいやつ?」
「……あっ」
「昨日さ、あのあと落ちてた」
思い出したようにミユが差し出してきたものは、あたしが友利にあげようと特別に作ったお守りだった。
こういうものは大の苦手だったあたしが、寝る間も惜しんで不器用ながらに「信」と縫い込んだもの。
「…それ、友利にあげようとしたやつ」
「……へえ。断られちゃったんだ?」
「うっ、うっさい!!」
「ははっ、そーそー。お前はその顔でいーんだよ」



