「あたしっ、逃げてた…っ、弱かったからっ、水悠がずっと求めてた言葉だって、本当はいつもわかってた……、
でも弱くて…、弱くて弱くて言えなくて…っ、逃げて逃げて…っ、ごめん、ごめんね、ごめん……っ」
「…ちがう、弱いのは俺だ、…逃げてたのは俺なんだよ静奈」
俺、自分が甲子園に行けないことよりも。
お前を連れて行ってやれないことのほうが悔しくてたまらないんだよ。
「ここにいる…っ、ミユはここにいるから…!」
それだけでいい、それだけでいいから。
そう言って涙を流す女の子に、ゆっくりと、一足一足、近づく。
「おまえを…、甲子園に連れて行けなくても…?」
「いーの…っ」
「シズナの夢、叶えてやれないんだよ…、俺」
あんなに行きたがってた甲子園。
中学で本当にマネージャーになって、たまに試合で会ったときなんかは誇らしげに俺へと笑いかけてきて。
いつも相手チームのベンチから俺を見てたこと、知ってんだよ。
「あたしが、叶えるから…っ!」
「───……」



