「…!」
トサッ───、
背中に投げられては地面に落ちた、グローブ。
懐かしいと感じたのは、過去の俺たちが使っていたものだったから。
「…道具は大切にしなきゃだろ」
「キャッチボールっ」
「………」
「あたしとキャッチボールっ、するの!」
小学生のときより悪化してない?
友達に対するキャッチボールの誘い方としては、これたぶん間違ってる。
素直じゃない性格は十分知っていたし、謝ったりお礼を言ったり、そーいうのが絶対できない子ってことも。
でも、ずっとずっと言葉を探していたんだろう。
数年ぶりの、言葉を。
会話のキャッチボールが成り立たないなら、もう物理で行くしかないと。
「残念ながらシズナ。俺……投げられないよ」
「いーから!!」
「…うまくそっちまで届くか、わかんない」
「それでもいいって言ってんでしょ…!」
「違う、怖いだけじゃない。そんな自分を……認めたくないんだ」
「あたしが認める…っ」



