聞いたの、友利に。
久賀くんと森さんは昔からの顔馴染みだって。
友利もそこまで詳しくは知らないみたいだったから、情報としてはそれくらいだけど。
ただ私も、久賀くんと森さんのあいだには何かがあると思っていた。
「ごめん、森さん。私……なにも分かってなかった」
大袈裟じゃないかって。
怪我、怪我って、敏感すぎやしないかって。
友利を心配する森さんの気持ちを、ただ自分だけのものにしたいから、だけだと思っていた。
でも、違った。
あなたはずっと、友利に久賀くんを映し出していた部分もあったんだろう。
だからあそこまで怪我を心配していたこと。
「森さん前に言ってたよね。“たとえ外傷に残らなかったとしても、2度と野球できなくさせることもできるのが怪我だ”って」
「……、」
「…それ、久賀くんのことでしょ?」
確かに久賀くんが抱えたものは物理的な怪我じゃない。
目に見えるものではないから、周りが気づくことは難しい。
でも、本人には一生として残る傷。



