追いかけろ、青。





森さんが私に声をかけてくるときは大体が友利関係ではあったけど、私に対する忠告。

そのため今も内心は構えていたが、森さんは不器用ながらに微笑んだ。



「相手校の全データを揃えてあたしたちに渡してくれたの。
相手の打撃、守備、状況別の攻撃方法、選手ひとりひとりの得意、不得意。普通じゃ集められないところまで隅々ね」


「…それを、友利が?」


「そう。たぶん、実際に行って練習風景や試合を偵察してきたんだと思う。じゃないとあそこまでの情報が手に入るわけがない」



私が知らないことは、まだここにもあった。

あんなにも全力で早退していたのは、てっきりリハビリに懸けているからだと思っていた。

それだけじゃない理由は、こんなところに。



「あんたにプレゼント」



皮肉染みた鼻笑いすら、私が知っている森さんらしくないものだった。