「……田舎の距離感どーかしてる…」
「それはあるかもな。女子もこんなんにいちいち驚かねーしさ。…まあでも俺は、今みたいな反応されたほうが好きだけど」
「っ、」
身長差を縮めながら首を傾けてくるの、ほんとやめて欲しい。
好きってなに…。
友利はとりあえずは野球のことと、とくに今は自分のことを考えてればいーってのに。
「あ、やべ。カラだった…」
リュックを漁って、ぽつり。
気にしないふりをしつつ伺ってみると、友利がいつも愛用しているステンレス製2リットル水筒のことを言っているらしい。
だいぶ蒸し暑さが際立つようになった。
水分補給は私も欠かせないところで、無意識にもスクールバックから取り出した水筒。
「飲む?………っていうのは、冗談で、」
「…あんま言わんタイプじゃね?」
「たまには……言いたくなるときも、あるよ」
言ってから“しまった”、だ。
完全なる無意識の失敗。
本当に何も考えずに放った言葉だったため、どうにか誤魔化すためにも必死。



