追いかけろ、青。

静奈side




手にしたペットボトルは2つ。


どうしてこんなの買って来たんだっけあたし……と、わからなくなった。


ひとつはお茶。
ひとつは、スポーツドリンク。

どちらの気分でも選べるようにと、そこまで考慮して買ったものだった。



「っ、なんで…っ、なんでだよ……っ」



そうか、あれじゃないからだ。

こんな飲み物を用意したって、あんなふうに泣いてなんかくれない。


病室のわずかな隙間。


ひとりの女子生徒を抱きしめながら泣く、友利の姿があった。



「一緒に行くからね、甲子園」


「……こうしえん、」


「連れてってくれるんでしょ、絶対」


「……ぜったい…」



友利が小さな子供に見えた。

そして、転校生であるクラスメイトは母親以上に柔らかい声を出すんだって。


あたしには到底できそうにないと、ペットボトルを手にして病室から離れた。