追いかけろ、青。





そんなの誰が思えるっていうの。



「私だってもう…、大切なひとが追い詰まってるところを見て見ぬふりするのは……嫌だ」



聞けないまま会えなくなるのは、嫌だ。

あのとき何かを伝えたかったのかなって、手遅れの後悔なんかしたくない。


お父さん、お父さん。


私、怖くて逃げたの。

なにかを抱えてるってのは分かってたけど、逃げた。


不器用な娘で……本当にごめんねお父さん。



「俺は……、野球の神様に、嫌われてっから…」


「だから仕方ない、なんて。…言ったら怒るよ」


「─────…だって、…さあ……っ」



めいっぱい私を引き寄せた腕。

抱きしめ返された、よりも、それはすがり付くようなもの。


すすり泣く友利の声は、強く強く腕のなかに閉じ込められた私だけに聞こえればいい。



ちくしょう、ちくしょう。

なんでだよ、悔しい、ふざけんな───、



まるでそれは、言葉にできなかった似た者同士な父娘の気持ちも代弁してくれているかのようだった。