弱音を吐けばいいのに、怒ればいいのに、それでも笑顔を振りまく友利が。
だからもう黙って、なんて気持ちで握った手。
とっさに、勢い任せに、両手で何かを捕らえるように。
────…ほら、震えてる。
「……とも……り、」
ポロポロと、ひとつひとつ。
本当だった。
寺田監督の言ったとおり、本当に手を握ってあげるだけで溢れ出た。
お父さんもこんな感じだったんだろう。
本人は自分でも理解していないくらい、その涙は流れては止まらなかった。
「っ…、……ごめ、ん」
痛くしてごめん、か。
それとも泣いてごめん、か。
こんな結果を見せて?
約束を守れそうになくて?
ぎゅうっと私の手を握り返す力は、今まででいちばん強いようで、弱かった。
「ははっ、やべー…、ちげえの、これはそーいうんじゃなくて、」
無理だよ友利。
そんな誤魔化ししたって、身体はもう認めちゃってるんだから。
───自分は泣いてるんだって。
「っ、ごめん…、まじで、ごめん……っ」



