報いなんて受けなくていい。
受ける必要なんかない。
同じくらいピッチャーとして注目されていた久賀くんなのだから、彼もそこは分かってる。
だから友利じゃなく、私に教えて責めるしかできなかったんだあの人も。
「…彗、電車?」
「……バス」
「あー、バスか。どっちにしろ乗り遅れたらキツくね?」
心配してくれているんじゃなく、「早く帰ってくれ」と言われてるみたいだった。
この空気にいちばん息詰まりそうになっているのは友利。
キツいのはあんたでしょ…、どう考えたって。
「…3回戦まではギリ無理かもしんねーけど、準決勝あたりには必ず間に合うようにすっから」
友利は負けることなど想像もしていなかった。
野球部が今、どれだけ険悪なムードかを彼は知らない。
友利がいないだけで、練習が早めに切り上げられているくらいなのに。
「だから大丈夫だわ俺は。…ありがとな、来てくれて」
「っ、」
「───……」
たぶん、もっと優しく握ってあげるべきだった。
でも、うるさかったから。
だって、うるさかったから。



