「っ、───…えっ、本物?」
すぐに顔を向けて、おどけるを選んだ友利。
やっぱり親子だと思った。
あのお母さんとそっくりだ。
まずは周りに心配させないように笑うんだ、その親子は。
病室に現れた私に笑顔を向けて、そして。
「…やったわ」
と、言う。
やらかした、やってしまった。
そんな意味を持つ言葉。
「でも、勝った。……次は2回戦、俺らなら余裕勝ちだな」
ベッドに座ってるなんて、友利らしくない。
こんな病院にいるなんて、友利らしくない。
あんたは泥だらけになりながらグラウンドで声を出してる、そんな男だ。
「……気分は、」
「ははっ、…最悪」
わざと、だったらしいね。
相手ピッチャーはわざと当てにきたって。
あんな球は誰だとしても避けられないと、実際に目撃したチームメイトたちも言っていた。
「よっ、と」
「まって、無理しないほうが…」
「やめろって病人扱いなんか。…ほら、ふつーに歩けんだぜ」



