「クソっ…、いつ戻って来んだよ洸大…っ」
有馬くんの嘆きは、全員の嘆き。
青が、見えなくなった。
いつもみんなを見下ろしていた青が。
みんなの頭上に広がっていた青が。
私たちが追いかけていた、青が。
野球の神様がどこかで見守っているというのなら、私は言いたい。
友利の怪我が、今回得た勝利との交換条件だったのですか───と。
「すーちゃんっ」
「……まりな」
「一緒にお弁当、たーべよ?」
「…うん」
クラス内も静かだった。
慰めの言葉すらかけられない状態。
だったら話題に出すことも辞めようと空気を読めば、かえってそれが余計に気まずさを作る。
「友利にはメールしたのー?」
「……できない」
「向こうからはー?」
「……きてない」
まりなの楽観さが、こんなにも心を救ってくれるなんて思ってもみなかった。
逆に相手の血を昇らせてしまうんじゃないかと思うのに、まりなのそれは張り詰めた何かの気を抜かせる才能があった。



