『デッドボールを肋骨に食らって、骨折だって』
あんなにもきらめいていた屈託のない笑顔が、私のなかで崩れた。
どうしてこのタイミングで。
なんでよ、なんで今なの。
いや……、今だからか。
八木坂高校の強さと結束力を目の当たりにして、もしかすると本当に甲子園に行くかもしれないって。
他校の野球部はきっと、危機感と焦りを覚えたんだろう。
『しかもそれ、明らかにわざとだったらしいよ』
『えっ、うそ…、最低なんだけど…!』
『でもさ…ほら、友利くんって中学のとき、あったらしいじゃん?その恨みじゃないかってみんな言ってる』
『報いってこーいうことなのかなあ…。なんか素直に喜べない勝利になっちゃったね。それに初戦でこれって…、嫌なスタートだよ』
なにが恨みだ。
なにが報い、なの。
勝利は勝利だ。
でも彼女たちが言っていたとおり、素直に喜ぶことなんかできない、嫌なスタートになってしまった。
だれを責めたらいいのか、わからない。
ただただ、やるせない。
ただただ、くやしい。



