「あらやだ雨だわ!彗ちゃん洗濯物おねがい!」
「うん」
とつぜんの雷雨。
ゲリラ豪雨と呼べるほど、それはもう大降りだった。
そんな今日は県大会、初戦。
彼からのメッセージはいつもどおり《行ってくる》と、早朝のバス移動のなかで送ってくれたのだろうメールで止まっていた。
《ただいま電話に出ることができません。ピーという発信音のあとにメッセージを───》
さすがに夜の9時以降なら大丈夫だろうと、初めて私からかけた電話にも応答ナシ。
いつも試合が終われば誰よりもいちばんに知らせてくれる結果が、今日は無かった。
「……もしかして…」
負け、た……?
そんなはずない。
負けは、ない。
ここで負けることだけはありえない。
見守る側にまでそう思わせてくるほど、八木坂高校野球部の結束力は凄まじいものに変わっていたから。
来ない返信に対してもっとメッセージを送る追い込みはしたくなくて、この日はスマホを閉じることにした。



