「彗」
「っ…」
物理的に止めてくるなんて最低だ。
友利からすれば、私がチア部をやめて満足だろうけど。
私はせっかく友達になれそうだった金丸さんと、“ただの他クラスの知り合い”という関係性に変わってしまった。
「もしかして、あのユニフォーム気に入ってたりした…?」
「……うん」
まあ、嘘。
あんなスースーしたの、できれば2度とごめんだ。
「こればかりは悪い。でも……誰にも見せたくない派なんだよ俺は」
「……なにが」
「…俺のなのに目立つ格好されんの、とか」
「…………」
私が無言になったことで逆に友利が恥ずかしくなったらしい。
視線をキョロキョロ動かしつつも、なんとかスーっと無理にでも平常に戻した。
「…なんで丸刈りにしなかったの」
「へ?…あー…」
「半数以上は剃ってるよ。ルールじゃないの?」
「…いや?ロン毛じゃなきゃセーフ。確かに監督は気合いにもなるっつって勧めてはきたけど……俺はまあ、いいかなって」
そう、数日前。
試合が本格的に近づいてきたこともあってか、頭を丸めた野球部が増えた。



