追いかけろ、青。





あんたの仕業じゃないの、
なにか裏で口合わせしたんじゃないの。

いちいち言葉にしたくないから、ギロッと睨んだ眼差しで聞いた。



「“洸大先輩が甲子園に行ったらヨリ戻すんです~”、だって」


「は!?あいつそんなこと言いふらしてんのかよ…!」


「おつかれ」


「あっ、ちょっと待てって彗…!!すげー誤解っ、誤解だっつーの!!」



ばっかじゃないの。
戻すならどーぞご勝手に。

私だけにあんなにも応援を求めてきたと思えば、実はサヤカちゃんにまで頼んでるなんて。



「好青年のふりしたチャラ男」


「だから違うんだって…!長くなるから省略すっけど、断じて俺は戻す気なんかねーから!……すーちゃん、怒ってる?」


「…別に」



すーちゃんとか、やめて。

それ許せるの、まりなくらいだから。


眉間にシワが寄る。
唇が尖る。

意識していないと、ぷくっと頬を膨らませたくなる。


女子トイレにはさすがについて来ないだろうと早歩きで向かうまでに、ガシッと肩が掴まれた。