そんなにも自己主張が激しいイメージでもなかった。
逆にどちらかというと爽やかに譲り渡しそうなタイプだって、思ってた。
「お前がチア部に入ってから動揺しまくりなんだよ俺」
「…なんで」
「20個はあるけど、聞く?」
「……聞かない」
「そのほうがいーわ」と瞳を伏せてから、迷いなく見つめてきた。
「頼む。なんでもいーから俺だけを応援してくれ」
「……あんたには、森さん───」
「森は関係ない。…確かにあいつは頼れるマネージャーだけど、俺にとってそれ以上はない」
なぜか、ホッとした。
なぜか、不安が和らいだ。
なぜか、泣きたくなった。
「俺が甲子園に連れていきてーのは、彗」
見たことがないほど、まっすぐ。
かつてピッチャーをやっていただけあると感心してしまう、ど真ん中ストレート。
一言一言、トスントスンと私の胸に投げられるたびに、私は友利の手を握り返した。
「お前が見ててくれないと…、俺は行ける気がしないんだよ」
なにを弱音なんか吐いてるの。
でも、言ってくれている。
自分にとってそれくらいの存在だ、と。



