「…自分でやれる。森は1年の指導があんだろ」
「え…」
1年にもキャッチャーはいる。
俺よりもまだ慣れていない新人がいる。
俺ばかり、にしなくたっていい。
俺にいつも期待していて、
俺に何かを求めていて、
秘めた自分の期待を、誰かと重ねている。
そんな森から逃げたくなるときさえあった。
そこまで考えたところで、もしかして彗にとっての俺もそう映っているのかと自爆。
「…わりい。今は放っといて」
「っ、ちょっと友利…!」
一瞬、とてつもなく傷ついた表情を浮かべた森を残して、俺は端のネットで後輩ひとりとトスバッティングに移行した。
「あんなの……俺だけじゃねえだろ」
カンッッ!!
「うわっ!」
勢いよくネットにボールが入る。
そんなにだとは思わなかったらしい新1年、なぜか腰を抜かしそうになっていた。



