ダメだよな…、
あんなことでいちいち動揺してたら。
精神コントロールは試合において、かなり大切になってくる。
どんなに点を取られようと、そこで諦めればプレーは荒いものになるし、焦らなければ着実で丁寧なプレーに変わる。
「友利!大丈夫?」
「…森、」
「とりあえずプロテクター外すよ。汗拭くから」
水分とタオルを持ってきてくれるマネージャー。
俺の異変を感じていたもう1人だったようで、すぐに駆け寄ってきた。
中学のときもそうだった。
森だけは、野球から離れた期間も俺を心配してくれていた。
「どこか調子悪い?もしかして怪我とかした…?」
「…いや、そーいうんじゃない」
「だったらどーしたの?」
俺が取り付けたプロテクターに伸びてくる手。
練習のときは必ずと言っていいほど、防具の取り外しを手伝ってくれたり、汗を拭いてくれるのはマネージャーだった。
ただ俺は、どうしてか今日の俺は、森からの労りを断った。



