逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ

 見回りは昼からだった。

 土地勘のあるラクレス隊が先頭を、そのあとをケイネ隊が続く。
 ギースはその最後尾にいた。
 途中で取り出せるよう密書はポケットにしまった。

 今の時期にしては暑い日だった。
 太陽が照りつけ辺りを眩しく照らしていた。

 馬に水を飲ませようと谷川に降りて行く。
 川風の涼しさに誘われて流れに沿って進むことにした。