『くそっ、いまいましいことだ』
 午後になるとギースは癇癪を起した。

 ラクレス隊との合同訓練も、周囲の偵察も面白くない。
 都ならば気の利いた飲み屋がある、馴染みの女に声をかければおかしく遊んでいられるのだ。

 クサクサしてそこらを歩いていた。

 駐屯地の前に雑貨屋があった。
 生活用品が並んでいるだけの店だった。

 暇に任せて入ってみる。

 すると大男がいた。
 揉み手をしてギースを奥へ誘った。