「あなたも行くのですか?」
駆け寄るソフィーに、
「こんな面白い話を聞いたのだ、人任せにできるか」
ア―ロンだった。
平服を着ていてもその容姿と上背はとび抜けている。
「アーロン様、それでは変装も何もあったものじゃありませんが?」
ヴェンがつい口にする。
「しかし、どうだ似合うだろう」
ソフィーに向かって茶目っ気さえ浮かべていた。
「どうぞ、あぶない・・」
最後までを言わせずに、
「大丈夫だ心配するな。相手はそこらのゴロツキだ、一瞬で捕らえてみせるさ」
馬丁が馬の準備をする間にも、
「あんがい民間の捜査も面白そうだな」
呑気そうに言う。
日頃軍を率いている彼には特異な行動なのだろう。剣もやや小ぶりのスモールソードに変えていた。
騎馬で大門に向かうときも並足だった。
だがそれは一瞬で変わった。
門を出てソフィーの影が無くなったとき、
「わが家から軍事機密を持ち出させただとっ? ただでは済まさん、覚悟しておけよ!」
悪鬼のように怒鳴った。
ドッドッドッと駆ける集団に、通りの人は驚いて振り返った。
* * * * *
駆け寄るソフィーに、
「こんな面白い話を聞いたのだ、人任せにできるか」
ア―ロンだった。
平服を着ていてもその容姿と上背はとび抜けている。
「アーロン様、それでは変装も何もあったものじゃありませんが?」
ヴェンがつい口にする。
「しかし、どうだ似合うだろう」
ソフィーに向かって茶目っ気さえ浮かべていた。
「どうぞ、あぶない・・」
最後までを言わせずに、
「大丈夫だ心配するな。相手はそこらのゴロツキだ、一瞬で捕らえてみせるさ」
馬丁が馬の準備をする間にも、
「あんがい民間の捜査も面白そうだな」
呑気そうに言う。
日頃軍を率いている彼には特異な行動なのだろう。剣もやや小ぶりのスモールソードに変えていた。
騎馬で大門に向かうときも並足だった。
だがそれは一瞬で変わった。
門を出てソフィーの影が無くなったとき、
「わが家から軍事機密を持ち出させただとっ? ただでは済まさん、覚悟しておけよ!」
悪鬼のように怒鳴った。
ドッドッドッと駆ける集団に、通りの人は驚いて振り返った。
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